05977-200816 人生初ヴァイオリンを製作したら思いの外いい音で感動しました

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1日で、ニスを塗る直前の状態まで完成するコース。あとは9月からゆっくりニス塗りします。

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完成したヴァイオリンを弾いてみたら、なんとなんと、予想を軽〜く裏切られる高音質。

正直いって、もっとチープな音なのかと思っていましたが、めっちゃいい音。

ずっとこの楽器を育てていきたいと思える素晴らしさ。感動。

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一緒に製作した5人（1組は付き添いのお母様と小学生との親子参加なので5組6名）の方々の楽器を順に、東京音大の卒業生（現在、同大学院生）が弾いてくださって、どれも「ちゃんと鳴る」ことを確認。

先生の発案で、試しにみんなでブラインドテストしてみました。全員で後ろを向き、目を瞑って、院生ご自身の楽器と新作とで同じ曲を弾いていただいて、どちらが彼女の楽器（1961年イタリア製）かを当てるという方法。

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結果、3対3。

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新作はやはり若干、「生木感」があります。古い楽器であればあるほど、演奏による微細な振動が与え続けられることにより、水分が抜け、軽くなっていきます。新作はまだ生まれたばかりの若さ、瑞々しさがある。その差は明らか。でもその若さゆえの力強さが、良い。

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キットから製作する工程はだいたい以下の通り。

10:30、お教室に集合

簡単に自己紹介

表板、裏板の表面をサンドペーパーで磨く

中に貼り付けるネームプレイトを書く

それを裏板の内側にニカワで貼る

表板を側板にニカワで貼り付ける（裏板と側板はすでに組み立て済みのキットです）

接着するまで、3時間、待つ

その間に下記の作業

ランチ

ペグの加工（糸巻きの幅に合わせてペグを切り、サンドペーパーをかける、弦を通す穴を開ける）

コマの加工（4本の弦の位置を測って溝を掘る、E線の位置には豚皮を貼る）

コマを立てる位置を測って鉛筆で印をつける

接着が終わったら魂柱を立てる

テールピースをつける

弦を張る

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このような作業をして、終わったのは18時すぎ。

中井先生がとっても優しくて、丁寧に教えてくださる。どんな質問にも答えてくださるし、お話が面白い。

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作業の中では魂柱を立てるのが最難関。魂柱の位置によって音質がまったく異なるとの説明。コマに近いほどパワフルな音、離すほどソフトな音色。しかし、位置を決めるどころか、単に立てるだけでも何度も何度も失敗。専用の工具でF字孔から魂柱を差し込んで、垂直に立てる。立ったと思ってもだいたい曲っているので、工具の反対側を使ってちょっとずつずらす。ようやく垂直になったと思うと、ちょっと回転してしまっていて、それを戻そうとすると倒れてしまう。倒れたら専用のマジックハンドを使って取り出し、また最初からやり直し。

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慣れない作業を何度も繰り返す根気が必要です。

うまく立ったときの達成感、大きい。

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先生に確認していただいて、OKが出たら完了。

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帰宅して妻に弾いてもらいました。「10万円の楽器を買ってもここまで鳴らない」とのこと。

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「この弓で弾いてご覧。生木感が消えるわよ」と言う妻の弓を借りて弾いてみたら、本当に生木感が消えた!!

さらに何本か弓を借りて弾き比べてみると、それぞれ明らかに異なる。弓は重要って聞いてはいたけど、それを初めて実感。楽器や奏者との相性、大切ですね。

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今回、参加したお教室はこちらの「1日コース」。

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当日の様子が、お教室の公式サイトで公開されました。

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もともと6月の日程で申し込んでいたのですが、コロナ禍で実施が延期され、今回、8月16日に参加できたもの。

参加した5組6名のうち2名が小学生（5年生と6年生）、3名が大人。ヴァイオリンを弾ける人が4名、未経験者が大人1名（小学生の付き添いのお母様が弾けるかどうかは不明）。

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その中には何ヶ月もかけて自分で1丁製作した経験者もいらしていました。キットではなくゼロからご自身で作った経験がありながら、なぜこのキット教室に参加されたのかお伺いしたところ、以前は工房の先生がニスを塗ってくださったけれども、こちらの教室はニス塗りを教えてくださるから自分で塗りたい、とのこと。

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いろいろな動機があるものです。「以前の製作工程は非常に大変で二度とやりたくない」とおっしゃる。実際、その工房には製作途中で放棄された作りかけのヴァイオリンがたくさん眠っているそうです。

そのお話を聞いて、参加したのがキットからの製作でよかったと思いました。木材を加工する工程がほとんど完了したパーツがキットになっており、自分で加工するのはわずか。申し込んで参加するまでは「1日でヴァイオリンを製作するって、一体何をするのだろう」と半信半疑でしたが、1日で行った作業だけでも素人には十分に難易度が高かったし、「（一応）自分で作った」と言える程度の満足感があります。難易度が高いと言っても小学生が（少しだけ親などの手伝いがあれば）完成させることができる程度です。

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せっかく作ったので、名前をつけたい。

前者は「Stradivarius」のように塩澤家が製作したヴァイオリンの総称、後者が「Dragonetti」のように個々のヴァイオリンの呼称。

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近いうちに肩当てと松脂を購入したら、ガシガシ弾きます。

楽しみ!!

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